ホノルルテナー・ウクレレ事情

今回の旅行の目的のひとつ(というか約80%)であるテナーウクレレのゲットまでの経緯です。まず、ホノルルに来れば有名どころテナー、また掘り出し物テナー、がそのへんにゴロゴロと転がっているイメージだったのですが、ちょっと違いました。

まずアラモアナSCの「ウクレレハウス」を目指しました。でもなぜかお店がみつかりません。SCのマップにもみあたらずインフォメーションで聞いてみると「なくなっちゃいましたね~」とのこと。前回来たときは結構はやってたようにみえたのですが・・・

気を取りなおして今度はロイヤルハワイアンSCの「ウクレレハウス」に行ってみましたが、こちらも前回あった場所にありません。前回(3年前)ここで無料レッスンを受け、そのあと3万円ほどの「mele」というウクレレを買ってこの楽器にはまったのですが・・・

ウクレレハウスはつぶれてしまったのか?とか思いながらそのあたりを漂っていると、カラカウア通りをはさんで向い側のハワイアンショッピングプラザ2Fのあまり目立たない場所に移っていました。前はもっと目立っていたのに・・・
で、テナーを探すとカマカ・Gストリング・コアロハといった有名どころは1本もなく、唯一「カニレア」というのがありました。お店のおじさんは、ウクレレをつっている壁の真中あたりを指差して「先月くらいまではここらへんまでずっとテナーだったんですけどね」とのこと。

暗雲のたれこめる中、次はパシフィックビーチホテルの「ぷあぷあ」へ。ここにはGストリングのテナーがありました。試奏は「ご自由にどうぞ」だったので弾いていると、やはり音量がコンサートとはだいぶ違う豊かなかんじです。14フレットのジョイントなのでハイポジションのコードが今弾いているコンサートより押さえやすく、かつよく響きます。ひとりで勝手に盛り上がっていると、店のおにいさんが同じGストリングのカスタムらしきモデルをショーケースから出してきてくれました。これはとても買える値段ではありませんが、でもやはり高い楽器は違いますね。どこがどう違うのかわかりませんが、コードを押さえたときの感触がとてもなめらかな感じで、音もとてもマイルドです。

弾いていると元に戻れそうになくなるので、はやめにやめて他に買えそうなのはないか聞いてみました。するとまだ届いたばかりのコアロハを箱から出してくれました。これは音量が圧倒的です。テナーの品揃えが描いていたイメージと違い、以外に少ないので内心あせっており、一応候補としてチェックしました。

が、やはりカマカが気になり、ありませんか、と聞くとカマカは日本に送ってる方が多いそうです。理由はハワイではライバルメーカーがたくさんあるので、なにがなんでもカマカという人は日本のほうが多く、よく売れるからとのこと。まあ当然の理由ですが、そのためにハワイまで来た身としてはきつい話ですよね。

あと最近よく聞くPONOがありましたが、これはひとこと「重い」です。コアロハの2倍くらいはあるかんじがしました。木がコアじゃないから?あるいは板がぶあついから?で、重いことからイメージされるとおり、音は、前に行かない感じ。みなれない黄色い色の弦が張っていましたが、このせいもあるかもしれません。

翌日、(ウクレレとは無関係のつもりで)ヒルトン・ハワイアン・ビレッジに行きました。ここはホテルの高層建築が林立する間を、森やプールやお店がつないで、夜はところどころに松明がともるという、まさに「ビレッジ」という雰囲気です。ここを歩いているだけでも、ハワイにきたな、というかんじで楽しいのですが、お店はあくまでお金持ちの観光客相手のお店、で自分が買い物するところではない、とたかをくくっていました。で、うすぼんやりとしか周りを見ていなかったのですが、うちの奥さんがウクレレがたくさん並んでいる場所を指差していました。

おみやげ用のウクレレ屋さんにしては、規模がでかいな、と思いながら近づいていくと、テナーサイズと思しきがたくさんあります。店にはかたことの日本語をしゃべるおばちゃんがひとり。「ウクレレいりませんか?」というかんじで野菜でも売るような雰囲気です。

Gストリングを弾いてみたいというとハイハイというかんじで、うれしそうに渡してくれました。「ぷあぷあ」のお兄さんのようなスペシャリストとしての自信と誇りは感じられませんが、めったに来ない客を大事にしようというような雰囲気で好感が持てました。結局、カマカも、コアロハも、あとカニレアも弾かせて貰いました。カマカは980ドルの値札でしたが「ディスカウントきゅひゃくごじゅどる」でケースもつけると出してきてくれました。ただこのときは、ウクレレを探すつもりでぶらぶらしているのではなかったので、愛用のサムピックを持っていませんでした。やっぱりいつものスタイルで音をくらべて見たかったので、「明日もう一度きます。」といったときのおばちゃんの残念そうな顔。お店から離れて振り返ると「どうせ来ないんでしょ」というかんじでずっとこちらを見ていました。

このお店「アロハ・ウクレレ」といいますが、日本に帰ってから調べたのですがホームページとかはなさそうです。「アロハ・ウクレレ ヒルトン」で検索して、ヒルトンのお店のリストに2~3行出てくる程度。目立っていません。

また翌日。サムピックを持っていったのですが、昨日のおばちゃんはおらず、もう少し若い、でもやはりおばちゃんがいました。この人は、少しぷあぷあ的雰囲気を持っており、『コアロハのテナーは板どおしをつなぐ補強材をつかっておらず、中がすっからかんだからすぐ鳴るけど、2流だと思う』とか、なかなかなうんちくを聞くことができます。『コアロハの人は大丈夫といっているけど、テナーサイズになると(強度的に)きついと思う。』とのこと。日本語も流暢です。

順番に弾き比べてみると、指のときは、コアロハもいいなと思っていたのですが、ピックだと印象がかなり違い、やはりカマカがなんとなく奥深い、というか渋い、というかウクレレらしい、というか・・・要するにとても気に入ってしまいました。途中からピックアップつきのテナー・カマカも出してきてくれましたが、予算が厳しいのと、なしのほうが音がいいような気が・・・

ここでも即決はせずもう少し他の店も見てみようと奥さんが言うので、次の日とか他のお店にも行ってみましたが、既に他のウクレレは全く目に入らなくなり、売れてしまわないかと気もそぞろでたいへん。

結局これをgetし、早速ワイキキビーチで弾きたおし、アラモアナビーチパークで弾きたおし、観光に行きたい奥さんは無視してひたすら弾きたおしです。

次の日も朝まだ暗いうちからワイキキビーチで弾きたおしていると朝日とともにビーチにやってきたおばちゃんが『somewhere over the rainbow?』と言って横に寝転がって気持ち良さそうに聴いてくれました。uresikatta







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